つばきのウェブメモ

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井戸水の水質検査について

家庭で使う井戸水をはじめ、食品などの製造業の施設でも井戸水を使用することがあります。

水道水を使わないため、経費が抑えられるメリットはありますが、使用する側が井戸水の衛生状態にも気を配り、定期的な水質検査をする必要があります。

また、水質検査と一口にいっても用途によって検査の項目数が変わってくるため、その辺りをきちんと理解し、必要な検査を行う必要があります。

この記事では、井戸水の用途別に、必要な水質検査の項目数を解説します。

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井戸水の使い方(用途)

主に井戸水を使う用途としては、以下のものが挙げられます。

  • 専用水道など大規模な水道施設
  • 食品製造用水
  • 一般飲用井戸:個人住宅、寄宿舎、社宅、共同住宅等に居住する者に対して飲用水を供給する井戸等の給水施設(導管等を含む。)
  • 業務用飲用井戸:官公庁、学校、病院、店舗、工場その他の事業所等に対して飲用水を供給する井戸等の給水施設(導管等を含む。)
食品製造用水とは

以前は、「飲用適の水」と記載されていることがありましたが、製造する食品によっては使用する水を食品製造用水として定め、基準を設けています。

例えば、生食用の魚介類を洗浄する水や、氷雪、氷菓、アイスクリームの製造に使用する原水などが挙げられます。

詳しくは、食品別の規格基準や乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)の別表にある製造棟の基準を確認し、食品製造用水の使用が義務付けられていないかを確認してください。

食品製造施設で使う井戸水(食品製造用水以外)

食品製造施設では、機材の洗浄等に井戸水を使用することがあります。

この水は、業務用飲用井戸にあたりますが、多くの食品製造施設では安全安心のために食品製造用水と同じ検査項目の検査を行い衛生に配慮しています。

水質検査の項目数と根拠

専用水道など大規模な水道施設…51項目の水質検査

【根拠となる法律等】

水質基準黄関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)

水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第四条第二項の規定に基づき、水質基準に関する省令を次のように定める。

水道により供給される水は、次の表の上欄に掲げる事項につき厚生労働大臣が定める方法によって行う検査において、同表の下欄に掲げる基準に適合するものでなければならない。

一般的な水道水と同じ基準値なので、項目数が51項目と多くなっています。

また、地下水は経時的に変化していくものですので、水道法施行規則で項目に応じて月1回などというように検査の頻度が定められています。

食品製造用水…26項目の水質検査

【根拠となる法律等】

食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)

第1 食品  B食品一般の製造,加工及び調理基準 5

魚介類を生食用に調理する場合は,食品製造用水(水道法(昭和32年法律第177号)第3条第2項に規定する水道事業の用に供する水道,同条第6項に規定する専用水道若しくは同条第7項に規定する簡易専用水道により供給される水(以下「水道水」という。)又は次の表の第1欄に掲げる事項につき同表の第2欄に掲げる規格に適合する水をいう。以下同じ。)で十分に洗浄し,製品を汚染するおそれのあるものを除去しなければならない。

26項目の内容は、一般細菌、大腸菌群、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素六価クロム、シアン(シアンイオン及び塩化シアン)、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、フッ素、有機リン、亜鉛、鉄、銅、マンガン、塩素イオン、カルシウム,マグネシウム等(硬度)、蒸発残留物、陰イオン界面活性剤、フェノール類、有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)、pH値、味、臭気、色度、濁度で、水質基準に関する省令とは異なる基準値が定められています。

検査頻度は、食品衛生法施行規則において飲用に適する水を使用する場合にあっては、1年に1回以上水質検査を行うことが規定されていますが、地下水は水質が変化しやすいものではあるので、数ヶ月に1回は検査することをおすすめします。

一般飲用井戸及び業務用飲用井戸…最低11項目の水質検査

【根拠となる法律等】

〈飲用井戸等衛生対策要領〉

4.2)② 飲用井戸等の検査

ア.設置者等は、飲用井戸等につき定期及び臨時の水質検査を行うこと。

ⅰ)一般飲用井戸及び業務用飲用井戸における定期の水質検査とは、水質基準に関するする省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の上欄に掲げる事項(以下「水質基準項目」という。)のうち、一般細菌、大腸菌亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、pH値、味、臭気、色度及び濁度並びにトリクロロエチレン及びテトラクロロエチレン等に代表される有機溶剤その他水質基準項目のうち周辺の水質検査結果等から判断して必要となる事項に関する水質検査をいう。

また、検査頻度は飲用井戸等衛生対策要領、食品衛生法施行規則共に毎年1回以上行うものとされています。

検査を依頼したい場合

厚生労働省に登録されている水質検査機関に依頼するだけでなく、場所によっては保健所でも検査を行っている場合があります。

検査に必要な項目数を確認し、依頼してください。また、料金等も確認し、依頼しましょう。