床下浸水や床上浸水にあったときの片付け方・消毒方法
近頃、大雨や河川の氾濫による家屋の浸水被害が起きやすくなっています。
浸水被害にあった場合、どのように掃除・消毒をするべきなのか、いざという時に行動できるように把握しておきましょう。
片づける前に確認すること
浸水被害に対して、被害者支援制度や加入している保険から給付金を受けることができることがあります。
片づける前に、以下のことを行っておきましょう。
- 被害の状況を写真に撮っておく。
- 加入している保険の対象となるか保険会社に確認する。
- 自治体に罹災証明書の発行手続きを行う。
作業の流れ
家屋が浸水した場合は、まずは水での洗浄や雑巾を使って拭き取り、汚れを除去します。その後、乾かすことが必要です。
また、被害の程度や状況に応じて、消毒剤を用いた消毒が必要になります。なお、消毒をする際に汚れが残っていると十分に消毒効果が得られませんので、まずは汚れを除去にすることが大切です。
作業時の注意
作業時の気候にもよりますが、長袖、長ズボン、メガネ、マスクの着用などで粉塵を吸い込んまないように気をつけて作業しましょう。
また、消毒液を使用する場合はゴム手袋を着用して皮膚に直接かかるのを防いだり、目に入らないように注意して作業をしてください。
床下浸水の場合
消毒は必須ではありません。
土砂等を取り除き、水道水で綺麗に洗い流したり、雑巾で汚れをふき取ります。
洗浄後は、水分を雑巾で拭き取ったり、扇風機などを使って風通しをよくしたりして、しっかりと乾かします。
床上浸水の場合
基本的に、生活をする空間なので消毒まで行います。
特に浸水時の水に汚水が混入していたり、下水の逆流などが発生したりしている場合もありますので、そのような場合は必ず消毒を行ってください。
一方で、浸水した水が雨水のみの場合は消毒しなくても平気な場合があります。
床上浸水時の作業の手順・消毒方法
床下浸水の時と同様、家の周囲や床下の不要なものや土砂等を取り除きます。
その後、雑巾などで水分を拭き取りや、扇風機などで乾燥させます。
水が引いた後、室内の不要なものを片づけ、床や壁など水洗いまたは濡れた雑巾で土砂等の汚れを取り除きます。
洗い流した後は、水気をとり、後述する消毒液で拭きます。
また、食器類は水で綺麗に洗い流したあと次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒します。
消毒液の作成方法
主に使用する消毒液は、逆性せっけん、次亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタノールの3種類です。種類によって、水で希釈をしてから使用する必要があります。
また、消毒液は、薬局やドラッグストア、ホームセンターなどで購入できます。
(自治体から配布される地域もあるようです。)
また、薬剤によっては使用期限が半年程の物もあるるため、家に保管されていたものを使用する場合は期限が切れていないか確認してください。
逆性せっせん(塩化ベンザルコニウム)
※オスバンという商品名で販売されているものがあります。
【使用箇所】
家具や床などの消毒に使います。ただし、ゴム製品や皮革製品には使用できません。
【使用方法】
市販されている薬剤を希釈して消毒液を作成し、雑巾に浸して拭くことで消毒します。
【使用時の希釈濃度】
0.1%
市販製品が10%の場合、100倍希釈となります。そのため、消毒液を10mL量り、水1Lを加えて希釈します。10mLは、ペットボトルのキャップの2杯分です。
また、0.05%の濃度に希釈をすれば、手指の消毒にも使用できます。この時は、手指を石鹸でよく洗って水気を拭き取った後に、消毒液を手指に刷り込んで使用します。
次亜塩素酸ナトリウム
ハイターなどの家庭用塩素系漂白剤でも代用できます。
【使用箇所】
主に食器などの飲食器具等に使用します。ただし、金属製品には使用できません。
【使用方法】
市販されている薬剤を希釈して消毒液作り、その中に五分間つけた後、水洗いをし、乾かします。
【使用時の希釈濃度】
0.02%に希釈して使用します。
市販製品が6%の場合は300倍希釈となります。そのため、消毒液を4mL量り、水1Lを加えて希釈します。4mLは、ペットボトルキャップ0.5杯強です。
また、空のペットボトルを利用して簡単に希釈することができます。
例えば、1.5mLのペットボトルならキャップなら1杯、2Lのペットボトルなら1.5杯を入れて水を満タンにすると0.02%の消毒液が作成できます。
なお、ハイターのキャップ1杯は約25mLです。
消毒用エタノール
消毒用エタノールとして売られているものは濃度が70%~80%ほどに調整されています。
【使用箇所】
手指の消毒に使用します。
【使用方法】
薄めずにそのまま手指に刷り込んで使用します。
日頃からの準備
浸水だけでなく、地震なども含め災害はいつ起こるかわかりません。
日頃からハザードマップ等を確認し、自宅周辺に危険がないのかを把握しておきましょう。
また、いざという時のために水や食料品はもちろんのこと、消毒液を備蓄しておくと災害時の衛生確保に役立ちます。
何事も事前に備えておくことが大切です。