30歳で個人年金保険に加入すべきか検討してみた
現在30代の私ですが、この先の生活には正直不安しかありません。
今から老後の生活を考えるのは早いのかもしれませんが、私たちが60歳になるころには公的年金はあまり頼りにならなそうですし、今から何かできることがあれば準備しておきたいと思っています。
そのような中で考えた選択肢の一つ、「個人年金保険」に加入すべきか検討した結果をまとめていきます。
個人年金保険とは
簡単にいうと、自分による自分のための年金です。現役時代に自分で掛け金を払っておくと、設定期間(60歳から10年間など)の間は公的年金のように毎年お金がもらえる、もしくは、60歳などの設定した歳に一括してお金がもらえるという保険です。積み立てた保険料は運用され、支払期間のころにはお金が増えるという仕組みになっています。また、保険商品によっては、外貨建てのものもあります。
今回は、シンプルな円建ての商品について検討してみます。
個人年金保険のメリット
-
「個人年金保険料控除」が受けられる
保険商品のうち以下の要件を満たすものは、個人年金保険料控除の対象となります。
- 保険料の払込期間が10年以上
- 終身年金、または被保険者の年金受取り開始時の年齢が60歳以上
- 年金受取り期間が10年以上の確定年金・有期年金
- 年金受取人が契約者またはその配偶者で、被保険者と同一の人
※変額個人年金の場合は一般の生命保険料控除の対象になります。
控除額は、最大で所得税4万円、住民税2.8万円です。年間の支払保険料が8万円を超えている場合は、4万円の所得税控除と2.8万円の住民税控除が受けられます。
例えば、年収400万円(所得税・住民税の税率が10%)の人が年間支払保険料が8万円超の保険に加入した場合、年間4000円の所得税還付が受けられ、翌年度支払う住民税も2800円少なくすることができます。
すなわち、年間6800円が削減でき、30年間の払込期間がある場合は、合計204000円もの差が生まれます。
-
返戻率は100%以上になる
年金受取総額÷払込保険料総額×100=返戻率(%)となります。
円建ての商品で途中解約等がなければ、払込保険料総額を下回ること基本的はありません。
また返戻率は契約年齢が若い場合や据置期間を置いた場合に高くなります。
【例】
日本生命保険相互会社の「みらいのカタチ 年金保険(10年確定年金)」の場合
契約年齢:30歳(女性)
年金支払開始年齢:60歳
月払保険料:19,008円
払込保険料総額:6,842,880万円
年金受取総額:7,200,000万円(年間72万円)
返戻率:約105.2%
-
将来もらえる金額が事前に把握できる
基本年金額や受取期間を設定したうえで契約できるので、将来どの程度もらえるのかが明確なところは安心材料となります。
個人年金保険のデメリット
-
返戻率がそこまで高くない
現在50歳後半の人が若いころに加入していた商品に比べると、返戻率は高くはありません。
加えて、返戻率という数字を見るとお金が増えている印象を受けますが、利率(年利)は高くありません。
例えば先ほど例に挙げた商品の年利を計算した場合は約0.25%となります。
-
インフレに対応できない
返戻率が高くなく、受取期間が60歳以降とまだ30年ほど先になることを考えると、将来インフレになる可能性はあります。その場合は払込保険料の価値は下がってしまい、インフレに対応することはできません。
-
払込期間中の解約で損をすることがある
中途解約をする場合が、解約時期によって払込保険料の総額を下回るケースが多くあります。一度契約したものは、最後まで続けることが基本です。
-
払込期間中の死亡保険金は高くない
終身保険と違って死亡保険金は払込保険料とほぼ同額です。死亡保障を求める場合は別途別の保険を契約した方がよさそうです。
結論
正直、お金を増やすという面ではあまり加入することのメリットはないのかなと思いました。ただし、保険料控除で節税効果はありますし、損な商品ではないのは確かですね。
返戻率は年齢が若い方がいいですし、興味があれば早めに見積もりをとって毎月の保険料、払込期間などを調整し、より返戻率の良い契約となるものに加入した方がよさそうです。