つばきのウェブメモ

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【食品表示】食品のアレルギー表示について

最近、マネー関連の記事ばかりだったので、今日は食品に関するお話しをしようと思います。

題して、「食品のアレルギー表示について」です。

このブログではちょっと真面目な記事を書くと決めているので、まずは中級食品表示診断士らしく食品表示のお話にしてみました。

女性が買い物をしている絵

食物アレルギーとは

まず食物アレルギーとは、食物の摂取した際に、食物に含まれる原因物質(アレルゲン:主にたんぱく質)が異物として認識されてしまい、自分の身体から異物を排除するために過敏な反応が起きた状態です。

かゆみ、じんましん、唇や瞼の腫れ、嘔吐、喘鳴といった症状だけでなく、意識障害、血圧低下、呼吸困難、全身発赤などのアナフィラキシーショックのような重篤な症状を引き起こすことがあります。

最近は食物アレルギーを持っている子供も多く、日々の買い物で食品表示を見て気を付けている親御さんも多いと思います。

アレルギー表示の義務はあるのか

食物アレルギーをもつ消費者の健康危害の発生を防止するために、容器包装された加工食品や食品添加物は、食品アレルギーに関しての表示が義務付けられています。

また、アレルギー表示については、表示義務のある「特定原材料」と表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」の2つに分類され、現在は合計27品目が対象です。

特定原材料

食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性の高いものが「特定原材料」です。『食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)』において定められ、表示が義務付けられています。

現在は次の7品目が対象です。

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生

特定原材料に準ずるもの

食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないものが「特定原材料に準ずるもの」です。

消費者庁次長通知『食品表示基準について(平成27年3月30日消食表第139号)』において、原材料として含む加工食品については、当該食品を原材料として含む旨を可能な限り表示するよう努めることとなっています。

現在は次の20品目が対象です。

あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツキウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

アレルギー表示の方法について

個別表示

原則として、特定原材料等を原材料として含んでいる場合は、それぞれの原材料名の直後に括弧を付して「(○○を含む)」というように特定原材料等を含む旨を表示する必要があります。なお、「乳」については、「乳成分を含む」と表示する必要があります。

【記載例】

原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム(卵・豚肉を含む)、マヨネーズ(卵・大豆を含む)、たんぱく加水分解(牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)/調味料(アミノ酸等)

また、特定原材料等に由来する添加物を含む食品の場合は、原則、当該添加物の物質名と、その直後に括弧を付して「(○○由来)」というように特定原材料等に由来する旨を表示します。なお、特定原材料のうち「乳」については、「乳成分由来」ではなく、「乳由来」と表示する必要があります。

一括表示

個別表示によりがたい場合や個別表示がなじまない場合などは、一括表示が可能です。ただし、個別表示と一括表示を組み合わせて使用することはできません。

一括表示をする場合は、特定原材料等そのものが原材料として表示されている場合や、代替表記等で表示されているものも含め、当該食品に含まれる全ての特定原材料等について、原材料欄の最後(原材料と添加物を事項欄を設けて区分している場合は、それぞれ原材料欄の最後と添加物欄の最後)に「(一部に○○・○○・…を含む)」と表示します。

【記載例】

原材料名: じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物/調味料(アミノ酸等)、(一部に卵・豚肉・大豆・牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)

表示を省略できる場合

繰り返し表示になる場合

原材料又は添加物に同一の特定原材料等が含まれている2種類以上の原材料又は添加物を使用している場合は、そのうちのいずれかに特定原材料等を含む旨又は由来する旨を表示すれば、残りの原材料等へはその表示を省略することができます。

代替表記や拡大表記がある場合

特定原材料等と具体的な表示方法が異なるが、特定原材料等の表示と同一のものであると認められるものは、その表示をもって特定原材料等の表示に代えることができます。これを代替表記といいます。

例えば、「卵」であれば、「玉子」や「たまご」の表示をもって、「卵を含む」の表示を省略することができます。

また、原材料名又は添加物名に特定原材料等又は代替表記を含む場合は、特定原材料等を使った食品であることが理解できるため、特定原材料等の表示に代えることができます。これを「拡大表記」といいます。

例えば、「厚焼玉子」と表記すれば卵が含まれていると理解できるということです。

なお、特定原材料等の代替表記等方法リストは、消費者庁次長通知『食品表示基準について(平成27年3月30日消食表第139号)』の別添 アレルゲン関係の別表3で定められています。

主な留意事項

  1. 特定原材料等に関して「入っているかもしれない」等の可能性表示は認められません。
  2. 製造工程上の問題等によりコンタミネーションの可能性が排除できない場合については、注意喚起表示が推奨されます。(例:「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」)
  3. 加工助剤及びキャリーオーバーなど、添加物としての表示自体が免除されているものであっても、特定原材料が使用されている場合は表示する必要があります。また、特定原材料に準ずるものについても、可能な限り表示に努める必要があります。
  4. 食品衛生法食品表示の基準が定められたころにあった特定加工食品及びその拡大表記の制度は廃止されています。そのため、これまで「特定加工食品」に該当していたもの(マヨネーズなど)については、アレルゲン表示が必要となります。
  5. 対面販売や外食産業に係る事業者によって販売される食品は、特定原材料の表示義務はないが、アレルゲン情報の自主的な情報提供の促進を進めることが望ましいとされています。口頭説明、ポップアップ、メニュー表などを利用して情報提供を検討しましょう。

今後の動向

平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書において、アーモンドは、これまでに中途より特定原材料等に格上げとなったバナナ、カシューナッツ、ゴマと比べても症例数多いため、今後アーモンドの推奨表示対象への追加を検討する必要性が示されています。

今後、この調査研究事業報告書の結果を受けて、改正等が行われる可能性があります。

また、くるみが特定原材料に指定される動きもあります。

 

食品表示には食品表示法に基づきルールがありますが、分かりにくい点もあります。

もしも、ご不明な点があればコメント等でご質問ください。